2022/03/14
偽のウイルス感染警告画面に騙されないで!
「お使いのコンピュータはウイルスに感染しています!」
Webサイトの閲覧中にこんな警告メッセージがパソコンやスマホの画面に突然表示されたらどうしますか?
たとえセキュリティソフトを自分で買って予防をしている人であっても、感染した時の対処を冷静にできる人はそうそういないと思います。
慌ててしまって画面の警告表示に従って操作してしまうのではないでしょうか?
現在、国の行政機関であるIPAの情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられる問い合わせの中で、「ウイルス感染警告」についての相談が最も多くなっているようです。多くの場合、これらの警告は「偽警告」と考えられます。ユーザーを警告メッセージで驚かして金銭を搾取しようとするネット詐欺なのです。
今回はこの「ウイルス感染警告」を装った「偽警告」詐欺について解説します。
「偽警告」はこんな画面が表示される
まず、最初に見てもらいたいのが偽の警告画面のサンプルです。
以下は実物を元に作成したものですが、パソコンやスマホのOSが警告を出したように見せかけるため、デザインを模倣し、WindowsやGoogle、Appleなどの大手企業の名前を使っているのが特徴です。
偽警告メッセージ上の文言
偽警告メッセージは、以下のようなパターンが確認されています。
「至急システムのアップデートが必要です」
「あとXX秒で大切なデータが失われてしまう危険があります」
「お使いのiPhoneでX個のウイルスが検出されており、バッテリーが感染しダメージを受けている可能性があります。」
「警告! ウイルスに感染しているので、早急の対応が必要です。 修復するために、続行して指示に従ってください。このウィンドウは閉じないでください。**閉じる場合、責任は自己負担となります**」
読んだら思わず焦ってしまいますね。このような画面やメッセージは、ほぼ「偽警告」の手口だと考えられます。そしてこの偽警告の目的は、焦って正常な判断を失ったユーザーを騙して金銭を搾取することです。
スマホでの偽警告手口はどんなもの?
スマホでは、不正アプリがウイルスのような働きをします。ただしハードウェアや他のアプリに感染したり、勝手に増殖することはありません。
犯罪者は、「偽警告」を表示して、ユーザー自ら不正アプリのインストールをするよう仕向けます。なぜなら、多くの方が利用のスマホ用OS (iOS、Androidなど)は、ウィルス感染を防ぐ様々な対策が講じられていますが、ユーザー自らがインストールするアプリへの対策は十分ではないためです。
もし、あなたが「偽警告」によって不正アプリをインストールしてしまったら、意図しない高額課金契約と月額料金の請求がされる懸念があります。しかし、多くの場合不正アプリの削除と、契約解除をすることで対処できるケースが多いようです。
パソコン版の「偽警告」に騙されるとどうなる?
パソコン版の偽警告は警告によってユーザーを脅かした後、より多くの金銭を騙し取るために、スマホより複雑なステップを踏ませます。
以下は、IPAで調査されたパソコン版偽警告の騙し手口を簡単にまとめたものです。
1)無料のセキュリティソフト(アプリ)をインストールさせる
検査のために無料のソフトウェア(アプリ)をインストールするよう誘導します。もちろん無料ソフトウェアは偽物で、インストールしてスキャンをすると沢山のウイルスが見つかりますが、これも偽の警告表示です。
2)有料版の購入への誘導
無料ソフト(アプリ)で見つかった感染を修復するためには、有料版の購入が必要ということで、クレジットカードでの支払いを求められます。支払いの際には個人情報も入力するため、犯罪グループに決済情報を渡してしまうことになります。
3)インストール後に電話をさせようとする
支払い手続き完了後、ソフトウェアをアクティベート(有効化)するために、コールセンターに電話をかけるように誘導します。
出展:IPA安心相談窓口便り
4)電話をかけると、オペレーターがパソコンの遠隔操作や作業費の請求をしてくる
オペレーターはサポート業者になりすまして、「あなたのパソコンを至急、詳しく調べる必要があるので遠隔操作が必要」と言って遠隔操作のソフトウェアのインストールをさせます。パソコンの画面上には、遠隔操作で何か作業をやっている様子を見せます。偽のサポート業者は遠隔操作の作業費や、高額な年間サポート契約をもちかけ金銭を搾取します。
騙されないためにはどうしたらいい?
偽のウイルス感染警告を見抜くコツについて、できるだけわかりやすくまとめてみます。
スマホやタブレットの警告メッセージで「ウイルス」という言葉が出たらほぼ「偽警告」
ここまで説明した通り、スマホでは、不正アプリがウイルスのような働きをします。ただしハードウェアや他のアプリに感染したり、勝手に増殖することはありません。iOSやAndroidにはウイルスを検知して警告を出す機能はありません。OSが警告を出しているような画面はすべて偽物です。「ウイルス」という語句は単にユーザーを脅すために使っているだけです。
ウイルス感染の対処のために、プログラムをインストールさせる、お金を払わせるのは「偽警告」
パソコンでもスマホでも、パソコンやOSのメーカーが、ウイルス感染を修復させるために何らかのソフトウェアをインストールさせることはほぼありません。また、MicrosoftやGoogle、Appleは、セキュリティソフトの有料販売は行っていません。もしセキュリティソフトの必要性があれば、大手セキュリティソフトベンダーの製品を利用しましょう。
電話をかけさせる、有料サポート契約は「偽警告」
電話をかけさせ、話術で相手を騙すのはネット詐欺の常套手段です。パソコンメーカーも、OSメーカーも、セキュリティソフトベンダーであっても、警告画面でサポートセンターの番号を表示し、電話をかけさせることはまずありません。警告画面や、ソフトウェアやアプリの画面にそのような表示が出たら「偽警告」「偽サポート」を疑ってください。
IPA情報セキュリティ安心相談窓口
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/index.html#4-1
電話 : 03-5978-7509
時間 : 10:00~12:00 13:30~17:00(土日祝、年末年始除く)
メール : anshin@ipa.go.jp
自分で対処が困難な方は、警告画面に表示される連絡先に連絡はせず、以下の窓口へ相談してみましょう。
記事引用元:BBソフトサービス OnlineSecurity